塙さんのお仕事~多く引用されるようになりました~
- Chikahiro Miyake
- 2021年4月5日
- 読了時間: 2分
東北大学・名誉教授牧野先生から塙さんのお仕事(https://doi.org/10.1111/ppl.12580)が多く引用されてますよ、とお知らせをいただきました。この仕事は、瀬島さんがいるときに確立した光呼吸のin vivo評価法(https://doi.org/10.1111/ppl.12388)を用いております。O2電極を用いたO2収支およびクロロフィル蛍光解析を同時に行うことで、CO2補償点での光呼吸代謝活性を評価できる方法です。質量分析計(MIMS)を用いなくても簡便に精度良く解析できます。目にとまった論文(https://doi.or/10.1007/s11120-021-00819-1)では、まさしくCO2補償点でMIMSを使用し、コケ、シダ、裸子植物、被子植物(C3, C4)でのエレクトロン・シンク能評価、光呼吸能評価、メーラー反応評価、呼吸評価を行っております。呼吸評価については、その難しさなど言及されていて大変学ぶところが大きい内容でした。光呼吸評価は、塙さんの結果を全面的に指示するものでした。私どもの研究が、まったく異なる方法論を用いても再現できたわけです。論文を公表するとは、十分な実験的証拠(再現性ある事実)を準備し、その時点で正しいと考える解釈を与えるわけです。光合成生物が、光呼吸を非常に有効に利用している姿が見えてきます。この評価では、瀬島さんの論文が正しく評価されています。我々が開発した光呼吸活性評価方法は、O2収支だけで光呼吸代謝活性が明らかになり、クロロフィル蛍光解析との同時測定でCO2補償点での光呼吸のエレクトロン・シンク能を評価できます。1度の測定で二つの重要な事実が明らかになります。光合成生物の進化の過程で最初に陸上に上がった光合成生物であるコケから、シダ、裸子植物、C3被子植物へと光呼吸活性が増大し、エレクトロン・シンク能も増大します。このような重要な事実に出会えました。
裸子植物まではFLVをもち、The Water-Water Cycle(メーラー反応)が機能していますが、CO2補償点では光呼吸がメインのエレクトロ・シンクであり、光合成電子伝達反応を支配・制御している事実に出会います。ホントに、重要ですね。
再現性のある研究事実の積み重ねのみが新しい生理現象・事実と出会うための土台を築かせることを示す研究成果でした。
現在、光呼吸研究は新たなステージに入っております。この成果は、近いうちに公表できるでしょう。ここでも、新規生理現象に出会っております。
最新記事
すべて表示令和6年度の始まりです。 まず、本日をもって、和田慎也先生が東北大学農学部・植物栄養生理学研究室・准教授として昇任・着任されました。和田先生が、神戸で展開されていた非常に重要なお仕事が仙台で花開くこと、間違いないと確信しております。楽しみですね!これからの若い大学人、研究者...
In vivo生葉で、初めて、フェレドキシン(Fd)依存のPSI循環的電子伝達反応 (Fe-cyclic electron low around PSI, PSI-CEF) の活性検出に成功、そして、in vivoでFd-CEFの活性制御を明らかにすることができました。詳し...
10月2日より、3回生が3人新たに所属されました。和田先生がモリモリご研究されている光呼吸のお仕事に携わる学生さん二人、私の研究に一人ですね。今年は、いつもと違い、すぐに研究テーマを決定してのスタートです。ご要望があったので、新たな取り組みです。皆様、よろしくお願いします。
Comments